DASHは心理的な価格ラインで跳ね返されている
ここ数ヶ月でETHに次いで急激な上昇を遂げているのがDASHだ。旧Darkcoinと呼ばれていたこの暗号通貨はZcashやMoneroと同じカテゴリーで見られることが多いが、他の通貨にはない特徴としては、トランザクションの処理方法とそれを利用したサービスロードマップが挙げられる。
DASHはもともとXCoin(XCO)として2014年1月にリリースされ、翌月の28日に名称がDarkcoin(DRK)に変更された。
現在のDASHに改称されたのは2015年3月25日のことだ。
DASHの暗号方式はコインミキシングという暗号手法を使っている。複数の送信をまとめることでシャッフルして誰から送信されたものかがわからなくなる仕組みである。これだけでも匿名性が高い通貨として評価されているのだが、もう1つの特徴は処理速度の速さにある。
DASHではマスターノードと通常の分散型トランザクション処理を2層にわけている。これにより、送金トランザクションの処理をマスターノードが引き受けることで処理速度の向上を実現している。(マスターノードになるためには1000DASHの預入担保をする必要があるが、報酬をもらうことができる。)
匿名性とトランザクションの処理速度向上を、分散処理を2層にわけ、それにより速い処理速度を実現している点が、多くのコイン投資家に支持されてきたのだ。
また、DASHは将来のEvolutionへの技術、サービスのアップグレードに向けて精力的な活動を行っており、それによりさらに投資家の期待が高まっている。
Evolutionに対する期待の中でも大きなトピックは、DASHのウォレットから「貯金」のボタンを押すだけで数パーセンの金利を受け取れるようになる、というものだ。
前述でマスターノードになるためには1000DASHが必要であると述べた。現在価値でいえば日本円で4000万円くらいになるのと、ある程度技術的な知識が必要なため、一般のコイン投資家には極めてハードルが高い。
そこで、投資家がEvolution後のDASHのWallet上で「貯金」ボタンを推した後は、そのDASHがマスターノードの構築に利用され、その貢献に対する恩恵としてマスターノードがもらう報酬の一部を貰える仕組みを実現しようとしているわけだ。
貯金といえばイメージが良いが、貸付と同じ意味にも取れる。
DASHがオフィシャルにこの仕組を構築するということは、DASHエコシステムの中で投資家は自身のウォレットを介してマスターノードとの間に、DASH暗号通貨による擬似的な銀行が構築される、ということを意味する。
DASHは秋以降段階的にバージョンアップを重ね、Evolutionへのアップグレードを行おうとしている。そして、9月24日にあるDASHのカンファレンスにて大型アナウンスとパートナーシップの発表を約束しており、この1ヶ月間は仮想通貨全体への期待と共にDASHへの期待が高まっているのだ。
そのDASHも、価格的な心理ラインである400$の節目に2回跳ね返されている。350$-400$をボックス圏と見えるが、下に抜ければ220$程度までサポートは無い。