メッセージングアプリKikのICOは買いか?

メッセージングアプリKikのICOは買いか?

企業価値10億ドル以上の未上場企業(いわゆるユニコーン企業)、カナダのメッセージングアプリを運営しているKiKが9月12日にICOで総額1億2500万ドルのICOを計画している。


Kikのホワイトペーパーによれば、2014年からKik内のユーザーへ「Kikポイント」を発行しユーザーに対してのテストを行ってきたという。今回はICOで調達した資金を使い、独自の仮想通貨「Kin」を新たに発行する。「Kin」はEthereum(ETH)ベースのERC20トークンとして発行される。


ICOで調達を予定している総額は、「Kin」の総供給量の約10パーセントになる。
60%は「Kin Foundation」が保有し、Kinを積極的に使った参加者に対して報酬としてリリースする予定。(その他の割り当てに関しては、調べた限りの点を後述するので曖昧な点があればご自身で確認してほしい。)

Kik はティーンとヤングアダルトを対象とするチャットアプリで毎月のアクティブなユーザー数が1500万人を超える。Kik のアクティブなユーザーベースの57%は13歳から24歳までの年齢層でKik のユーザーの約64%は米国に在住している。

今回のICOでの調達額1億2500万ドルは、すでに既存のベンチャーキャピタルから投資を受けた金額に対して、500万ドルほどに近い金額に迫っている。

また、既にKikは暗号通貨のヘッジファンド、Pantera CapitalとPolychain Capital、ベンチャーキャピタルのBlockchain CapitalからKinのプレセールで5000万ドル調達している。

残りの7500万ドル分は9月12日より2週間以内に行われる予定だ。

Kinの割当比率(ホワイトペーパー、その他記事等から算出)
・ヘッジファンド、VC 4000億Kin 5000万ドル分
→プレセールで割当済み

・プレICO 1兆Kin 1億2500万ドル分
→9月12日

・ICO 6000億Kin 7500万ドル
→9月12日以降(?)

・Kin Founfation  6兆Kin
→Kinの運用に使用

・Kin基金創設メンバーとしてのKikへの割当分 3兆Kin

Kin自体はKikポイントと代替されるので、Kik側の準備が整えばKik内で流通し始めるであろう。Kikは、1500万人のユーザーを核に将来的には3億人が利用するサービスに育てたいという意向のようだ。

Kik内でデジタルエコノミーが拡大していくのか?ユニコーン企業がICOを使う事例として興味深いICOではないだろうか?

仮想通貨を使ったコミュニティー内のデジタルエコノミーの先行事例としては既にSteemがある。また、北米圏は参加できるICOが少ないが、SECが「The Dao事件」で厳しい見解を示しているという背景があり、投資家自身も罰せられる可能性があることを示唆している。そのためか、実際のところKikのICOではパーソナルIDと身分証明書の提出を求められる。

(本稿では投資を推奨しているものではありません。公開にあたり情報の正確性には極力務めておりますが、最終的な責任は投資家自身にあります。当ブログでは一切の責任は持ちません。)

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