Ethereumを使ったサイバー犯罪数の上昇

Ethereumを使ったサイバー犯罪数の上昇

Ethereumを使ったサイバー犯罪が増えていると、AMLソフトウェア会社であるChainalysisが同社のブログで指摘している。Ethereumで起こった最初の主要なサイバー犯罪は2016年6月の「The DAO事件」であるが、最近ではICOの台頭にともないEhrer Thievesが台頭してきているという。



ICOとEther Thievesの台頭

そもそも、Ethereumトークンを使った最初のICOで「The Dao事件」が起こったわけだが、これはスマートコントラクトの脆弱性をついたもので、仕組みの悪用といえるものだろう。最初のICOであったこともあり、被害額は当時の全ICO資金の40%以上に相当するという規模の大きなものだった。

それ以来、ICO市場の拡大に連れ、市場総額に対する被害額の比率は全体の10%程度まで減少しているが、Ehtereumでのサイバー犯罪自体は増加しており、6月に1億ドル(=約109億円)から8月には2億25000万ドル(=約272億円)まで増加している。

Ethereumでの一般的なサイバー犯罪は、スマートコントラクトの悪用、ハッキング、フィッシング、ポンジスキームの4つのカテゴリに分類できる。2017年6月にはウォレットから3000万ドルが盗まれた事件があった。これまでは、一部のサイバー犯罪者はハッキングや悪用を選択していたが、最近はICO関連のフィッシング詐欺が最も多く、今年に発生したサイバー犯罪被害の50%以上になるという。

ChainalysisのCRO、Levin氏によれば、ハッカーたちは実際のICOプロジェクトを模倣したウェブサイトやソーシャルメディアアカウントを作成しており、彼らはこれらで偽の口座を用意し、ICOに参加する将来の投資家に対して、自分のウォレットアドレスにお金を送らせようとしていると警鐘を鳴らしている。

さらに、ICOの参加に対して、人よりも早くアクセスすることを切望している投資家は、詐欺師の標的になった電子メールのキャンペーンや、ツイッター投稿、スラックのメッセージを通じて偽のウェブサイトへの情報などで、詐欺サイトへの誘導を行うように騙されている。

このようにして、サイバー犯罪者はプロジェクトの抜け道を利用して金銭を盗むことができると、Levie氏は主張している。

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