BCHとETC、ハードフォーク後の値動き

BCHとETC、ハードフォーク後の値動き

仮想通貨はこれまでいくつかの理由でハードフォークを経験し、ブロックチェーンを分岐することでその状況を解決してきた。

ハードフォーク後の仮想通貨はどのような動きをしてきたのだろうか?イーサリアムクラシックとビットコインキャッシュで比較してみたい。

まずはイーサリアムクラシックから。

ハードフォークによりイーサリアムクラシックが誕生したのは、「The Dao事件」によるもの。「The Dao事件」は、イーサリアムのプロジェクトであったThe Daoのスマートコントラクトの脆弱性を突いて、約65億円相当のイーサリアムが不正に送金された事件だ。

この事件の解決のため、イーサリアムの開発チームが「ハードフォークによる不正送金の無効化」という方法で解決を行う。その解決方法に反発した一部のコミュニティーメンバーがハードフォークを拒否、その結果として誕生したのがイーサリアムクラシックである。


ETC/USDチャート(1Week)

ETC/BTCチャート(1Week)

スマートコンラクトの脆弱性を突かれた、スマートコントラクトこそイーサリアムの核心であっただけにその将来に非常に暗い影を落とすことになった。ほとんどのコミュニティーメンバーの同意の元にハードフォークが採用されたのだが、一部にはプログラムコードを原則としコードに則った解決を目指すべき、という考え方があり、その相違から生まれたのがイーサリアムクラシックということになる。

意思決定の過程で、核としていくポリシーの相違で分離されたわけであるが、その後の価格形成はチャートのようになっている。

次はビットコインキャッシュ。

イーサリアムクラッシックがスマートコントラクトの脆弱性をついたハッキングを経緯に誕生したのに対して、ビットコインキャッシュはスケーラビリティー(トランザクションの処理速度)問題に対する、解決方法の意見相違から誕生した仮想通貨だ。

ビットコインのコアメンバーが主導したのが、ブロックに入れるデータ量を圧縮するという考え方である。ブロックに格納するトランザクションのうち、電子署名部分を切り離すことでデータ量を拡大するという方法を提案した。

電子署名(Witness)を切り離す(Segregate)のでこの方式がセグウィット(Segwit)方式。

もう1つの勢力に、現在1MBのブロックサイズをもっと拡大するという考え方のグループがあった。

記録されるブロックのサイズを大きくしてしまえば、1つのブロックに多くの情報を記録することができるようになる、だからスケーラビリティー問題は解決する、という考え方。(ただし、処理をする為のマシンパワーは以前よりも必要になる。)

紆余曲折を経て、Sefwit主導派とブロック拡大派はSegwitを実行しブロックを2倍にする折衷案である「セグウィット2x」で合意を果たす。しかし、一部のマイナーグループ(ViaBTC)がこの流れに反発、ハードフォークを強硬して誕生したのがビットコインキャッシュである。


BCH/USDチャート(6h)


BCH/BTCチャート(6h)

ビットコインキャッシュとイーサリアムクラシックは、それぞれビットコインとイーサリアムの抱えた問題に対する解決方法の提起があり、そこから主流派と反対派に考え方の違いが生じて、結果としてハードフォークという手段が採用され誕生したものである。

その考え方の違いは将来の価格形成にどのように影響していくのだろうか?今後、定期的にモニタリングしてみたい。
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