Mt.Gox(マウントゴックス)のBitcoin送金問題は解決するか?

Mt.Gox(マウントゴックス)は2014年2月11日現在、ビットコインの送金に関するプログラム問題で、現在ビットコインの送金をすべて停止している。彼らが抱えている問題が解決されるまでこの状態が続く可能性は高い。この結果、Mt.Gox(マウントゴックス)の取引価格は他の市場の取引価格よりも安くなっている。

この件に関して、Mt.Gox(マウントゴックス)は、2014年2月10日にプレスリリースをWEBサイト上で発表した。(以下のサイトでは日本語の試訳を掲載している。)

ブログ:bitlywatch.com
[速報] Mt. Goxいわゆる「払戻し停止」問題に関する2014年2月10日発表の試訳

この発表以降、Mt.Gox(マウントゴックス)の取引価格は急落。
1BTC=500USDまで下落した。その後反発をし570USD前後を推移している。

また、他の取引所の乖離幅は大きくなっており、100USD〜120USDの価格スプレッドが生じている状況だ。Mt.Gox(マウントゴックス)はこれまでアービトラージ(裁定取引)の出口(売り先)として想定されており、実際のところ数多くの投資家が裁定取引を行っていた可能性が高いが、今回は逆の機会が生じている格好であり、現在は、世界で最も安くビットコインが買える場所に転じている。

また、MT.Goxでは口座への入金とビットコインの取引は可能な状態である。(ただし、入出金にどの程度かかるのか?については当ブログでは実際に試していない為、まだ正確な情報ない。)

Mt.Gox(マウントゴックス)では、ビットコインの送信における「transaction malleability」が原因であるとしている。

Transaction Malleability(英語)

「transaction malleability」に関するMt.Gox(マウントゴックス)の説明は以下。

Non-technical Explanation: 
A bug in the bitcoin software makes it possible for someone to use the Bitcoin network to alter transaction details to make it seem like a sending of bitcoins to a bitcoin wallet did not occur when in fact it did occur. 

Since the transaction appears as if it has not proceeded correctly, the bitcoins may be resent. MtGox is working with the Bitcoin core development team and others to mitigate this issue.

(当ブログの意訳)
非技術的な説明:
ビットコインソフトウェアのバグにより、ビットコインWalletへのトランザクションについて、ビットコインのトランザクションがあったにも関わらずなかったかのように取引を装うことができる可能性があります。
そのトランザクションが正しく進んでいないかのように表示さるので、ビットコインを再送することができる可能性がある。 
MtGoxでは、この問題を軽減するためにBitcoinコア開発チームなどと協力しています。


これに関し、多方面から「ビットコインは安全である」、という類の声明がでている。
ビットコイン財団からは以下の声明が出された。

Contrary to Mt. Gox’s Statement, Bitcoin is not at fault

Transaction malleability has been known about since 2011. In simplest of terms, it is a small window where transaction ID’s can be “renamed” before being confirmed in the blockchain. This is something that cannot be corrected overnight. Therefore, any company dealing with Bitcoin transactions and have coded their own wallet software should responsibly prepare for this possibility and include in their software a way to validate transaction ID’s. Otherwise, it can result in Bitcoin loss and headache for everyone involved.

(当ブログの意訳)
Transaction malleabilityは、2011年以来知られています。用語の最たる意味は、トランザクションIDにはブロックチェーンで確認が始まる前に、改変することができる小さな窓(訳者注:意味としては時間的な隙間であろう)があるということです。この問題は一夜にして解決することはできません。

したがって、ビットコインのトランザクションを扱ういかなる企業においても、独自にウォレットソフトウェアをコーディングしているすべての企業が責任を持ってこの可能性に備え、あらかじめトランザクションIDを検証する方法を含める必要があります。

それ以外の場合は、関係者全員を巻き込んだBitcoinの損失と頭の痛い問題になることがあります。

また、ビットコインのコア開発者のJeff Garzik(Twitter:@jgarzik)は、自身のTwitterで以下のようにツィートしている。

#bitcoin transaction malleability wiki page, https://en.bitcoin.it/wiki/Transaction_Malleability …   Remember kids: zero-confirmation transactions are not secure.

(当ブログの意訳)

リメンバーキッズ:確認されていないトランザクションは安全ではないんだよ。

ここまで見てきた限りでは、ビットコインの根本的かつ技術的な問題ではなく、どちらかといえばビットコインの送金を扱う事業者の問題である可能性が高そうだ。ただし、この問題が解決されない限り、Mt.Gox(マウントゴックス)を利用している投資家のビットコインは送金できない。

また、取引価格の下落をうけて損を出している投資家はMt.Gox(マウントゴックス)およびビットコインに愛想を尽かさない限り投資資金を引き上げないので、外部への出金が成功したという情報はまだない。

当ブログでは、Transaction Malleability(英語)
の翻訳と、より詳細な技術的な解説ができる方からの情報を求めています。また、2014年2月11日以降、外部へのビットコイン以外の出金が成功したかどうかに関しても情報を求めています。
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