Mt.Gox(マウントゴックス)取引価格、100USD水準まで崩落

Mt.Gox(マウントゴックス)の取引価格が、昨年11月水準まで崩落した。現在は1BTC=110USD前後。他市場は概ね500USD台後半の価格を維持しており、取引価格は約5倍以上の差になっている状況だ。

Mt.Gox(マウントゴックス)からは2月20日木曜日(日本時間)には、ビットコインの引出しに関してなんらかの発表があるものと期待されていた。それまでの取引価格は200USD台後半の価格を維持していた。

実際のところ、Mt.Gox(マウントゴックス)から発表されたことは、セキュリティー上の理由によるオフィスの移転案内。最近になって極一部の投資家がMt.Gox(マウントゴックス)の入り口で抗議活動をおこなっており、その対応と見る投資家が多いのが一般的だ。

しかしながら、オフィスの移転は仮に移転先がバーチャルオフィスであったとしても、短時間で行われるものではなく、「(オフィスの移転は)抗議者を回避する為の単なるフェイクなのではないか?」といった声や、「ビットコインの引出し対応を優先すべき時期に何をやっているか?」といった怒りの声が投資家からは上がっている。

したがって、「当初より予定されていた移転作業を理由にビットコインの引出し対応作業遅延の言い訳をしたのでは?」という新たな憶測も呼んでいる。

また、ビットコインの引出しにはアカウントの認証が必要、という観測もあり(当初は不要だった)、事務作業の遅延が常態化しているMt.Gox(マウントゴックス)のことなので、仮に引出しが再開されるとしても、アカウント認証がおわっていない分、引出しに時間がかかる投資家もいるだろう。

現在、Mt.Gox(マウントゴックス)で維持されている市場機能は、ビットコインの売買だけである。
現金の入出金、ビットコインの入出金のいずれも不可能だ。

一見すれば、取引仲介機能は維持されているように見えるが、取引対象物の入出金ができていない状況のため、実のところは市場としての機能は果たしていない。

Mt.Gox(マウントゴックス)はオフィスの移転作業を後回しにしてでも、一刻も早く市場機能の回復をすべきであり、金額の制限があったとしても段階的にでも現金、およびビットコインの入出金を再開すべきであろう。そうしなければ、市場としての機能はいずれ停止することが予想される。

奇しくも11月水準までMt.Gox(マウントゴックス)の取引価格は崩落した。
Mt.Gox(マウントゴックス)だけ、ビットコインの取引価格が昨年末水準に戻ったことはまさに奇貨というべきであり、他市場との取引価格は開いたままであるわけだから、ビットコインが崩壊したわけではない。(既に他市場は引出しを再開している。)Mt.Gox(マウントゴックス)に寄せられているのは、投資家の期待と失望、投機家の期待であろう。これがMt.Gox(マウントゴックス)の現在の生命線であることはいうまでもない。

現在のMt.Gox(マウントゴックス)の状況は、Mt.Gox(マウントゴックス)自らが招いていることであり、求められているのはMt.Gox(マウントゴックス)の市場としての危機対応能力だ。
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