盗まれたMt.Goxのビットコインの行方

盗まれたMt.Goxのビットコインは戻ってくるか?

一般的にはない馴染みがないだろうが、仮に取引所が破産した場合預けてある仮想通貨は法廷管財人が管理をすることになる。

わかりやすく言えば、強制的に管財人にガチホされることになるわけだ。最近、BTC/JPYが高騰しているのでMt.Gox破産債権者はこの強制ガチホのいまのところ受けることができるかもしれない。

ご存知の通り、2014年にMt.Goxは破産し、ビットコインをはじめとした破産債権はすべて破産管財人が管理をしている。

ビットコインの現在価格は当時の高値よりも4倍程度で推移しているので、現在のビットコインを現金化すればおそらくは配当率100%以上という破産事件としては珍しい決着になるかもしれない。

今後のビットコイン相場の状況にもよるが、債権者は複雑な気持ちであろう。

当時、ビットコインは暗号通貨と呼ばれていたが、現在は仮想通貨と見る風潮が強くなってきた。すべてをブロックチェーンの取引履歴で追えるわけであるから、実は相当レベル透明性の高い通貨なのだ。

この取引履歴を追っていった結果、Mt.Goxからビットコインを盗んだのは、2017年7月にマネーロンダリングの容疑でギリシャで逮捕されたアレクサンダー・ビニック容疑者だと、
Mt.Gox事件の調査を行うWizSecが発表している。

July 27, 2017

WizsecによるBTCのフロー


Mt.Goxからハッキングされて盗まれたビットコインは約63万BTC。
そのうちの30万BTCが今回のビニック容疑者逮捕により、彼の個人用ウォレットで確認できたということなのだ。

63万BTCは当時のBTC/JPYのレート換算を1BTC=10万円としても約630億円だが、最近のレートでは3150億円だ。

そのうち、ビニック容疑者が彼の個人用ウォレットで30万BTC持っていたということであれば、あくまでも希望的観測だが約1500億円分のBTCが破産管財債権として戻ってくる可能性があるかもしれない。(もちろん、盗まれたBTCの法的な地位に関して関与者の間でもめる可能性がないわけではないが…。)

実際のところ、ハッキングで盗難されたビットコインはその取引履歴を追うことで、容疑者の個人ウォレットに保管してあるBTCまで行きつくことができた。

このビットコインのプライバシー問題を解決する為に、「取引を行った」ということ以外の情報を載せない方法として「ゼロ知識証明」と呼ばれる暗号手法を利用した技術を実装しているのがZcashである。

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